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商品の普通名称と商標的使用とをどのように認定するか?

トリュフ形チョコレートは貴重な食材である「トリュフ」(truffle)をまねた形状から名付けられており、見栄えがしないのに、見た目からはわからない味わい深さが隠されている。チョコレート商品のパッケージや飾りに「松露」(トリュフ)の二文字を他の商標と組み合わせて用いたことにより、江蘇省の食品会社1社と浙江省の食品会社2社との2年にわたる商標侵害紛争が起きた。
先日、江蘇省蘇州市中級人民法院(人民法院=裁判所)がこの紛争に民事判決を下して、浙江省杭州巧諾梵食品有限公司(以下、「巧諾梵公司」という)、杭州頂莱食品有限公司(以下、「頂莱公司」という)の製造、販売するチョコレート商品のパッケージ、飾り及び宣伝ポスターにおける「松露巧克力」(トリュフチョコレート)の使用は、商品名称の正当な使用であり、需要者を誤解させることはなく、チョコレート、飴等の商品において登録認可された商標「松露」(第1571149号)(以下、「係争商標」という)に対する江蘇梁富食品集団有限公司(以下、「梁富公司」という)の専用権を侵害してはいないと認定した。
中国商標網の情報によると、係争商標は江蘇省張家港蒙特莎食品有限公司が2000年1月に登録出願し、2001年5月に飴、チョコレート、えび風味スティック、ビスケット等第30類の商品において登録認可された。2011年12月、梁富公司が法により係争商標を譲渡された。
梁富公司は次のように訴えた。商標「松露」は長年培われたものであり、信用と市場の知名度とを得ている。巧諾梵公司及び頂莱公司は許諾を受けずに、係争の登録商標専用権を侵害する商品を大量生産し、オンラインショップ、実店舗を通じて販売して、梁富公司に大きな経済的損害をもたらしており、これは商標侵害に該当する。
巧諾梵公司は、自社が使用しているのは自身の商標「諾梵」であり、「松露」はチョコレートの普通名称に該当し、これは標章「松露巧克力」の正当な使用であると主張した。
頂莱公司は、侵害被疑物品において強調させて使用しているのは自身の商標「諾梵」であり、「松露巧克力」はチョコレートの種類として、説明的に、正当に、善意で使用されているのであって、係争の登録商標専用権を侵害してはいないと弁明した。
張家港市人民法院は次のように認定した。巧諾梵公司の提供した証拠は「松露」がチョコレートの普通名称であることを証明するには十分でなく、しかも、巧諾梵公司及び頂莱公司の「松露」の二文字を強調させた使用形態は、商品の説明又は客観的な記載による正当な使用の限度を超えており、主観的に善意とは言い難く、客観的にも商品の出所に対する一般需要者の混同を招くおそれがあり、係争商標に対する梁富公司の専用権を侵害している。これにより、法院は一審で、巧諾梵公司及び頂莱公司の侵害行為の差止め、及び梁富公司の経済的損失及び合理的支出の合計10万元(約153万円)の共同賠償を判決した。巧諾梵公司、頂莱公司はいずれも一審判決を不服として、続いて蘇州市中級人民法院に上訴した。
二審法院は、審理の結果、巧諾梵公司及び頂莱公司の製造、販売する侵害被疑物品における「松露巧克力」という文字の使用は、商品名称の正当な使用であり、需要者を誤解させることはなく、係争商標に対する梁富公司の専用権を侵害してはいないと認定した。また、巧諾梵公司及び頂莱公司の侵害被疑行為が成立しないことに鑑みて、「松露」がチョコレート商品の普通名称であるか否かという認定は本件の取扱いに影響しないので、法院は本件ではこの論争についてこれ以上認定をしない。
以上から、二審法院は一審の判決を取り消し、梁富公司の訴訟請求を棄却することを判決した。(作者:王国浩)

専門家のコメント:
王華(北京恒都律師事務所、シニアパートナー):商標の正当な使用は需要者の利益を保護するために商標権に対して合理的に制限を加えることであり、中国の現行の商標法第59条により、商標権者以外の主体が、製造、経営において、許諾を受けずに他人の登録商標を使用しているものの、その使用は自社の商品、役務を説明若しくは分類化し、又は地理的由来を明示するためであり、一般需要者に混同、誤認を招くことはないので、他人の登録商標専用権の侵害行為に該当しないと規定されている。
この法律の条項の適用でまず解決すべき問題は、商標としての使用に該当するか否かである。通常の意味における商標の使用は、商品又は役務の提供者を識別することができるだけでなく、業務上の信用が溜まって同類の商品又は役務において互いを区別することもできる。本件では、巧諾梵公司、頂莱公司は製造、販売する侵害被疑物品において自社の持つ商標「諾梵」を強調させて使用するとともに、「松露巧克力」に対応する英語のフレーズ「truffle chocolate」(デザイン文字)が組み合わせて使用されており、食品名称欄には「☓☓松露巧克力」と記載されている。明らかに、この使用方法は商標の個性的な標章が「諾梵」であることを示しており、「松露巧克力」はチョコレートの種類名としてチョコレートの種類を区別するものであり、出所を識別する商標作用、又は同類の商品において互いを区別する商標作用を備えているのではなく、したがって、巧諾梵公司、頂莱公司の係争の行為は商標としての使用に該当しない。
「松露」が商標としての使用ではないことが確定されたとして、混同、誤認の問題を判断する必要があるか否かと、それをどのように判断するかを更に検討する必要がある。本件では、二審法院は「商品名称」の使用の性質を決めた上で、混同、誤認の問題について広げて認定しており、3つの点から混同、誤認の可能性を論証して排除している。第一に業界の概況であるが、「松露」の第一の意味は貴重な菌類の名称であり、商標としての生来の識別力は劣っており、客観的に、「松露」と「巧克力」とを組み合わせて使用した場合には、チョコレート業界は「松露」を商品名称として幅広く使用しており、チョコレート商品における「松露」は商標として既に作用し難くなっている。第二に、梁富公司の使用状況であるが、梁富公司は「松露」の商標権人として、経営において「松露」の商標としての認知度を上げているのではなく、それよりも「松露」は商品名称であると一般需要者に思わせている可能性が大きい。第三に、巧諾梵公司、頂莱公司の使用状況であるが、この2社は製造、販売する侵害被疑物品において自ら登録出願した商標「諾梵」を強調させて使用し、内側と外側のパッケージのいずれにも企業名称、所在地、連絡先を詳細に記載しており、一般需要者は巧諾梵公司及び頂莱公司が製造、販売するのが「松露ブランドのチョコレート」であるとは思わない。
本件では、二審法院は、「松露」は商標としての使用に該当せず、「松露」は「商品名称」の使用であると認定し、また、「商品名称」の使用の効果について、「混同、誤認の原則」の枠組みの下で、一般需要者が商品の出所について混同、誤認又は不必要な連想をすることのないように積極的な方向付けの役割があると認定している。
王珮珮(江蘇縦聯律師事務所、副主任弁護士):本件では、二審法院は商標侵害の判定の際に、係争の行為が商標的使用に該当するか否か、商標の知名度及び識別力等の要素を十分に考慮しており、消費者に誤認を招くか否かという基準を中心にして論証を十分に行っている。
商標侵害の有無の判定は係争の行為が商標的使用に該当するか否かを前提としなければならず、商標的使用に該当するか否かの判断は、主に、表記された係争商標が商品又は役務の出所を区別する作用を果たすことができるか否かを考慮しなければならない。また、商標侵害の判定では、商標の知名度及び識別力の要素も十分に考慮する必要があり、知名度が高く識別力が高い商標は往々にして類否判断の際に比較的広い基準が採用されるが、これは、そのような商標の模倣は消費者の誤認及び混同をより招きやすいからである。反対に、識別力が低く知名度が低い商標は類否判断の際に比較的厳しい比較基準が採用されるが、これは、そのような商標はそれ自体の限界性により、商品又は役務の出所を区別する効果の発揮における作用が小さいからである。
本件では、「松露」の二文字に対する巧諾梵公司及び頂莱公司の使用は、一般の消費者にとっては「松露」が商標であるか否かを線引きすることはできず、これにより商品の出所を判断することもできないので、商標的使用に該当しない。また、係争商標の知名度と識別力とを考え合わせると、梁富公司も、係争商標には知名度がなく、一般の消費者は巧諾梵公司及び项莱公司の使用する「松露」の二文字についてこれが商標であるという結論を得ることができず、これにより商品の出所を判断することは尚更できないと認めている。「松露」は実際に存在する菌類の名称として固有名詞に該当しており、その識別力は低く、一般の消費者の「松露」に対する固有名詞としての認識程度は登録商標としての認識程度よりも明らかに高い。以上の点を考え合わせると、「松露」に対する巧諾梵公司及び頂莱公司の使用は、商標的使用に該当せず、商品の出所を区別する作用を起こすこともできず、商標「松露」の知名度及び識別力に基づくと混同及び誤認を容易に招かず、これは商品名称の正当な使用であり、商標侵害に該当しない。
以上から、商標侵害の有無の判断は、法律の条文を単に当てはめて機械的に比較することはできず、様々な要素を十分に考慮し、需要者を誤解させ得るか否かという原則で総合的に判断してから認定しなければならない。

2016-09-09

如何认定商品通用名称与商标性使用?

松露形巧克力因其形状模仿珍贵食材“松露”(truffle)而得名,其不起眼的外表下却隐藏着令人回味无穷的滋味。因将“松露”二字与其他商标组合使用在巧克力商品的包装、装潢上,江苏省一食品企业与浙江省两家食品企业展开了长达两年的商标侵权纠纷。
日前,江苏省苏州市中级人民法院针对双方纠纷一案作出民事判决,认定浙江省杭州巧诺梵食品有限公司(下称巧诺梵公司)、杭州顶莱食品有限公司(下称顶莱公司)在其生产、销售的巧克力商品包装、装潢及宣传海报中使用“松露巧克力”字样,系作为商品名称正当使用,不会误导公众,并未侵犯江苏梁丰食品集团有限公司(下称梁丰公司)对核准注册在巧克力、糖果等商品上的第1571149号“松露”商标(下称涉案商标)享有的专用权。
据中国商标网信息显示,涉案商标由江苏省张家港蒙特莎食品有限公司于2000年1月提出注册申请,2001年5月被核准注册在糖果、巧克力、虾味条、饼干等第30类商品上。2011年12月,梁丰公司依法受让了涉案商标。
梁丰公司诉称,“松露”商标经多年培育,已取得较高的声誉和市场知名度,巧诺梵公司和顶莱公司未经许可大量生产,并通过网络、实体店进行销售侵犯其享有的涉案注册商标专用权的商品,给梁丰公司造成了较大的经济损失,构成商标侵权。
巧诺梵公司主张,其使用的是自己的“诺梵”商标,“松露”属于巧克力通用名称,其系正当使用“松露巧克力”标识。
顶莱公司辩称,其在被控侵权商品中突出使用的是自己的商标“诺梵”,“松露巧克力”是作为巧克力的品类,描述性地、正当地、善意地使用,并未侵犯涉案注册商标专用权。
张家港市人民法院经审理认为,巧诺梵公司提供的证据并不足以证明“松露”为巧克力的通用名称,而且巧诺梵公司和顶莱公司突出“松露”二字的使用方式已超出说明或客观描述商品而正当使用的界限,其主观上难谓善意,客观上也可能导致相关公众对商品来源产生混淆,侵犯了梁丰公司对涉案商标享有的专用权。据此,法院一审判决巧诺梵公司和顶莱公司停止涉案侵权行为,并共同赔偿梁丰公司经济损失及合理支出共计10万元。巧诺梵公司、顶莱公司均不服一审判决,随后向苏州市中级人民法院提起上述。
二审法院经审理认为,巧诺梵公司与顶莱公司生产、销售的被控侵权产品使用“松露巧克力”字样系作为商品名称正当使用,不会误导公众,并未侵犯梁丰公司对涉案商标享有的专用权。同时,鉴于巧诺梵公司与顶莱公司的被控侵权行为不成立,因此“松露”是否为巧克力商品通用名称的认定不影响该案处理,因此法院在该案中不再就该争议作相关认定。
综上,二审法院判决撤销一审判决,驳回梁丰公司的诉讼请求。(作者:王国浩)

行家点评:
王华 北京恒都律师事务所 高级合伙人:商标正当使用是为了维护公众利益而对商标权施以合理限制,依据我国现行商标法第五十九条规定,商标权利人以外的主体在生产经营过程中虽然未经许可使用了他人注册商标,但由于该使用是为了描述或类别化自己的商品、服务,或指明地理来源,不会导致相关公众产生混淆误认因而不构成侵犯他人注册商标专用权的行为。
上述法律条款的适用首先要解决的问题为是否构成商标意义上的使用。通常意义上的商标使用不仅可以识别商品或服务的提供者,还可以沉淀商誉以区分同类商品或服务中的彼此。该案中,巧诺梵公司、顶莱公司在生产、销售的被控侵权商品上突出使用了其持有的“诺梵”商标及“松露巧克力”对应的英文词组“truffle chocolate”(艺术字体)配合使用、食品名称栏标明“xx松露巧克力”。显然,这一使用方式体现商标个性的标识为“诺梵”,而“松露巧克力”作为巧克力的品类名称区分巧克力的此类与彼类,并不具备识别来源或在同类商品上区分彼此的商标功能,巧诺梵公司、顶莱公司的涉案行为因而不构成商标意义上的使用。
需要进一步思考的是,在确定“松露”并非商标意义上使用的前提下,是否有必要以及如何判断混淆误认的问题。该案中,二审法院在“商品名称”使用定性的基础上,对混淆误认的问题作出延展及认定,并通过三方面论证排除了混淆误认的可能。其一是行业概况,即“松露”的第一含义是名贵菌类的名称,作为商标的天然显著性差,而客观上当其与“巧克力”结合使用时,巧克力行业将其作为商品名称广泛使用,“松露”在巧克力商品上的商标功能已难以发挥。其二是梁丰公司的使用情况,梁丰公司作为“松露”商标权人,并未在经营过程中提升“松露”作为商标的认知度,而是更容易让相关公众认为“松露”是商品名称。其三是巧诺梵公司、顶莱公司的使用情况,两主体在生产、销售的被控侵权商品突出使用了自身已提请注册的“诺梵”商标,且内外包装上均详细标企业名称、地址、联系方式,相关公众不会认为巧诺梵公司与顶莱公司生产、销售的是“松露牌巧克力”。
该案中,二审法院认为“松露”不构成商标意义上的使用,认定“松露”系“商品名称”的使用,同时对“商品名称”的使用效果在“混淆误认原则”的框架下作出认定,对于避免相关公众对商品来源产生混淆误认或不必要的联想有着积极的导向作用。
王佩佩 江苏纵联律师事务所 副主任律师:该案中,二审法院在判定商标侵权时,充分考虑到了涉案行为是否构成商标性使用、商标的知名度和显著性等因素,紧紧围绕是否会造成消费者误认这一标准,展开了充分的论证。
判定是否构成商标侵权,应以涉案行为是否构成商标性使用为前提,而判断是否构成商标性使用,主要应考量标注使用的涉案商标是否能够起到区分商品或服务来源的功能。同时在商标侵权判定中,还要充分考虑商标的知名度和显著性因素,知名度高、显著性高的商标往往在判定是否构成近似时会采取较为宽泛的标准,因为仿冒此类商标更容易造成消费者的误认和混淆。反之显著性低、知名度低的商标在判定是否构成近似时会采取较为严格的对比标准,因为此类商标基于其自身的局限性,在发挥区分商品或服务来源的功效中作用相对较小。
该案中,巧诺梵公司与顶莱公司对于“松露”二字的使用,之于普通消费者而言无法对“松露”是否是商标进行界定,也无法据此判断出商品的来源,因此不构成商标性使用。同时结合涉案商标的知名度和显著性,梁丰公司也认可涉案商标不具有知名度,普通消费者对于巧诺梵公司与项莱公司所使用的“松露”二字无法得出其是商标的论断,更无法据此判断商品的来源。“松露”作为一种现实存在的菌类名称,属于固有名词,其显著性较低,普通消费者对于“松露”作为固有名词的认知程度明显高于其作为注册商标的认知度。结合以上几点,巧诺梵公司与顶莱公对于“松露”的使用不构成商标性使用,也无法起到区分商品来源的功能,并且基于“松露”商标的知名度和显著性,不易造成混淆和误认,是对商品名称的正当使用,不构成商标侵权。
综上所述,判断商标是否侵权,不能简单套用法条进行机械地比对,应该充分考虑到各种因素以能否误导公众的原则进行综合判断然后进行认定。

2016-09-09

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