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拒絶査定不服審判事件において係争商標の知名度を考慮すべきか?

商標出願の拒絶査定不服審判事件において、商標の類否判断の際に係争商標の知名度を考慮すべきか?第17165442号商標「ESI及び図」(以下、「係争商標」という。)をめぐる拒絶査定不服審判の紛争事件において、北京市高級人民法院(裁判所)が先日、最終審判決でこの問題に答えを出した。

北京市高級人民法院は、商標出願の拒絶査定不服審判事件において、商標の知名度は事実上考慮することができず、さもなければ手続の正当性に反することになると指摘した。これにより、最終審で北京芸佰聯騰電子科技有限公司(以下、「芸佰聯騰公司」という)の上訴が棄却され、商標評審委員会(審判部)(以下、「商評委」という)による係争商標の登録出願の拒絶審決が最終的に維持された。

詳細には、係争商標は、コンピューターのキーボード、コンピューターの記憶デバイス、コンピューター、ダウンロード可能な音楽ファイル等の第9類を指定商品として芸佰聯騰公司が2015年6月に登録出願したものである。

審査の結果、商標局は、2016年8月の商標拒絶査定通知書によって、係争商標と第3028960号商標「EST及び図」(以下、「引用商標1」という)及び第G983677号商標「ESI ACQUISITION,INC」(以下、「引用商標2」という。)とが類似商品に使用される類似商標に該当すると認定し、これにより、係争商標の登録出願を拒絶査定した。芸佰聯騰公司は、商標局の拒絶査定を不服として、同年9月に商評委に対して拒絶査定不服審判請求をした。

2017年4月、商評委は、不服審判の審決によって次のように認定した。係争商標の主な認識部分である「ESI」は、引用商標1の主な認識部分である「EST」のアルファベットとはアルファベットの違いが1つしかなく、類似に該当し、引用商標2のアルファベットとは同一に該当しており、係争商標と、引用商標1及び引用商標2とは、類似商標に該当する。しかも、係争商標の指定商品と、引用商標1及び引用商標2の指定商品とは、類似商品に該当する。したがって、係争商標と、引用商標1及び引用商標2とは、類似商品に使用される類似商標に該当する。これにより、商評委は、係争商標の登録出願を拒絶査定した。

芸佰聯騰公司は、商評委の不服審判の審決を不服として、北京知識産権法院(知識産権=知的財産権)に対して行政訴訟を起こした。

なお、この事件の一審の審理期間中に引用商標2が継続3年不使用により全ての商品において取り消され、2017年8月6日に第1562号登録商標取消公告で公表された。

北京知識産権法院は、審理の結果、次のように認定した。係争商標が引用商標1と共に類似商品に使用されると、一般需要者の混同、誤認を容易に招くことになり、類似商品に使用される類似商標に該当する。引用商標2は、継続3年不使用により既に取り消されて、係争商標の登録の障害となる先行権利に該当しなくなっており、事情変更の原則に基づき、商評委による不服審判の審決で認定された事実の一部に変更が生じたが、商標標識の類否判定の他の事実及び審理基準に対して影響がなく、審決の結論には影響しない。これにより、法院の一審判決で芸佰聯騰公司の訴訟請求が棄却された。

芸佰聯騰公司は、一審判決を不服とし、北京市高級人民法院に上訴して、係争商標と引用商標1とが類似商標に該当せず、しかも、係争商標が芸佰聯騰公司の宣伝、普及によって既に一定の影響力及び知名度を有しており、引用商標1との共存で一般需要者の混同、誤認を招くことはないと主張した。

審理の結果、北京市高級人民法院は、次のように認定した。係争商標と引用商標1の文字とは、アルファベットが1つしか違っておらず、字形が類似しており、いずれも定着した意味がなく、類似商標に該当しており、両者の類似商品における共存により一般需要者の混同、誤認が容易に招かれることになり、類似商品に使用される類似商標に該当している。また、商標出願の拒絶査定不服審判事件は一方的な手続であり、引用商標の所有者は訴訟の主体として当該手続に関与することができないので、引用商標の知名度に関する証拠を当該手続で提示することができない。係争商標について、特に引用商標の知名度について十分な挙証と弁論を行うことのない状態では事実上商標の知名度を考慮することができない。さもなければ、手続の正当性に反することになる。芸佰聯騰公司が提出した証拠は、いずれも一方的な証拠であり、指定商品において使用によって係争商標が引用商標1とは区別可能となっていると証明するには不十分である。

まとめると、北京市高級人民法院は、芸佰聯騰公司の上訴を棄却し、一審判決を維持する旨を判決した。(王国浩)

専門家のコメント

楊宇宙(北京大成(上海)法律事務所のパートナー)2010年に最高人民法院が発表した「商標の権利付与、権利確定に係る行政事件の審理における若干の問題に関する意見」第16条により、「人民法院による商標の類否認定は、商標標識の構成要素及びその全体の類似の程度も考慮し、関連商標の識別力及び知名度、使用される商品の関連の程度等の要素も考慮する必要があり、容易に混同を招くか否かを判断基準とする。」と規定されている。この規定により、商標の知名度を商標の権利付与、権利確定事件における考慮の要素とすることが明確化された。しかし、ここで規定されているのは関連商標の知名度であり、引用商標により棄却される紛争事件では、関連商標には係争商標も引用商標も含まれるはずであり、知名度を考慮する必要があるのであれば、係争商標の知名度と引用商標の知名度を同時に考慮すべきである。しかしながら、引用商標の権利者が関与しない場合には引用商標の知名度の調査が必然的に難しくなり、これは引用商標の権利者にとって明らかに不公平である。これと同時に、引用商標の権利者が不在の場合には、係争商標の知名度を正確に認定することも難しくなる。商標の知名度自体が社会的評価の範疇であり、通常は広告宣伝、製品売上高又はサービス売上高、受賞記録、市場シェア等の証拠によって証明する必要があり、しかも、このような事件では証拠の数が比較的多くなり、これらの証拠に対する引用商標の権利者の十分な質証(証拠を問い質すこと)、弁論がなければ、その真正性及び関連性の正確な認定が難しくなる。また、悪意をもった先取り、買占め等の不正な商標登録行為があることを考慮して、商標拒絶査定不服審判手続では、係争商標の知名度の証拠には一部の出願人による偽りの証拠等の信義誠実に反する行為もあるかもしれないことを考慮する。

確かに、上述した裁判基準を採用すると、一部の商標は長期的使用によって一般需要者が引用商標と混同することのない程度にまでなっていたとしても登録を受けることができなくなるかもしれないが、全体的には中国の商標登録の出願及び審査に有益なものである。深圳市柏森家居用品有限公司(家居用品=ホームリビング)と商評委との再審事件で最高人民法院が言ったように、「一方的な手続において商標標識の類否に関する判断基準をいわゆる個別ケースの審査により消失させたくはない。この裁判基準の更なる明確化は、商標登録出願を規範的で信頼可能なものとすることにとって有益であり、商標法の立法の目的の実現を確保するものである。」

2018-08-17

驳回复审案件中是否应考虑诉争商标知名度?

在商标申请驳回复审案件中,判断商标近似时是否应考虑诉争商标的知名度?在围绕着第17165442号“ESI及图”商标(下称诉争商标)展开的驳回复审纠纷一案中,北京市高级人民法院日前在终审判决中针对这一问题给出了答案。
北京市高级人民法院指出,在商标申请驳回复审案件中,商标知名度实际上无法予以考虑,否则将有违程序的正当性。据此,法院终审驳回北京艺佰联腾电子科技有限公司(下称艺佰联腾公司)上诉,商标评审委员会(下称商评委)驳回诉争商标注册申请的复审决定最终得以维持。
据了解,诉争商标由艺佰联腾公司于2015年6月提出注册申请,指定使用在计算机键盘、计算机存储装置、计算机、可下载的音乐文件等第9类商品上。
经审查,商标局于2016年8月作出商标驳回通知,认为诉争商标与第3028960号“EST及图”商标(下称引证商标一)、第G983677号“ESI ACQUISITION,INC”商标(下称引证商标二)构成使用在类似商品上的近似商标,据此决定驳回诉争商标的注册申请。艺佰联腾公司不服商标局所作驳回决定,于同年9月向商评委提出复审申请。
2017年4月,商评委作出复审决定认为,诉争商标的主要认读部分“ESI”与引证商标一的主要认读部分“EST”的字母构成相近,仅存在一个字母之差,与引证商标二的字母构成相同,诉争商标与引证商标一、引证商标二构成近似商标,且诉争商标指定使用商品与引证商标一、引证商标二核定使用商品属于类似商品,诉争商标与引证商标一、引证商标二构成使用在类似商品上的近似商标。据此,商评委决定对诉争商标的注册申请予以驳回。
艺佰联腾公司不服商评委所作复审决定,随后向北京知识产权法院提起行政诉讼。
记者了解到,在该案一审审理期间,引证商标二因连续3年不使用在全部商品上已被撤销,并公布在2017年8月6日第1562期注册商标撤销公告上。
北京知识产权法院经审理认为,诉争商标与引证商标一共同使用在类似商品上,容易导致相关公众产生混淆误认,已构成使用类似商品上的近似商标。引证商标二因连续3年不使用已被撤销,不再构成诉争商标获准注册的在先权利障碍,基于情势变更原则,商评委作出的复审决定所认定事实部分发生变化,但对判定商标标志近似的其他事实及审理标准没有影响,不影响决定结论。据此,法院一审判决驳回艺佰联腾公司的诉讼请求。
艺佰联腾公司不服一审判决,继而向北京市高级人民法院提起上诉,主张诉争商标与引证商标一不构成近似商标,而且诉争商标经艺佰联腾公司的宣传推广,已具有一定的影响和知名度,与引证商标一共存不会导致相关公众产生混淆误认。
经审理,北京市高级人民法院认为,诉争商标与引证商标一的文字仅相差一个字母,字形相近,均无固定含义,已构成近似商标,二者共同使用在类似商品上,容易导致相关公众产生混淆误认,已构成使用在类似商品上的近似商标。同时,商标申请驳回复审案件为单方程序,引证商标持有人不可能作为诉讼主体参与到该程序中,因而有关引证商标知名度的证据在该程序中无法得以出示,在缺乏对诉争商标特别是引证商标知名度进行充分举证和辩论的情况下,商标知名度实际上无法予以考虑,否则将有违程序的正当性,艺佰联腾公司提交的证据均为单方证据,且不足以证明诉争商标在指定商品上经使用已可与引证商标一相区分。
综上,北京市高级人民法院判决驳回艺佰联腾公司上诉,维持一审判决。(王国浩)
行家点评
杨宇宙  北京大成(上海)律师事务所 合伙人:2010年最高人民法院发布的《关于审理商标授权确权行政案件若干问题的意见》第十六条规定:“人民法院认定商标是否近似,既要考虑商标标志构成要素及其整体的近似程度,也要考虑相关商标的显著性和知名度、所使用商品的关联程度等因素,以是否容易导致混淆作为判断标准。”该规定明确将商标知名度作为商标授权确权案件中知名度考量的因素。但此处规定的是相关商标的知名度,在因为引证商标而被驳回的纠纷案件中,相关商标既包括诉争商标也应包括引证商标,如果要考量知名度,应同时考量诉争商标与引证商标的知名度。而在引证商标权利人不参加的情况下,引证商标知名度必然难以查明,这对于引证商标权利人来说显然是不公平的。与此同时,在缺少引证商标权利人的情况下,也难以准确认定诉争商标知名度。商标知名度本身属于社会评价的范畴,通常需要通过广告宣传、产品或服务销量、获奖记录、市场份额等证据来证明,而且在此类案件中证据数量会较多,如果没有引证商标权利人对这些证据进行充分的质证、辩论,难以对其真实性和关联性作出准确认定。此外,考虑到存在恶意抢注、囤积商标等非正常商标注册行为,商标驳回复审程序中考虑诉争商标知名度证据甚至可能会存在某些申请人制造假证据等不诚信行为。
诚然,采用上述裁判标准,可能会导致一些商标虽经长期使用甚至达到相关公众不会将其与引证商标混淆的程度却仍然无法获准注册的情况,但整体上是有利于我国商标注册申请和审查的。正如最高人民法院在深圳市柏森家居用品有限公司与商评委再审一案中所言:“我们不愿意看到,单方程序中有关商标标识近似的判断标准被所谓的个案审查所消解。有关裁判标准的进一步明晰,有利于引导商标注册申请的规范化、诚信化,确保商标法立法目的的实现。”

2018-08-17

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