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9272万元の賠償 電磁波シールドフィルム業界で起きた特許訴訟

1、概要
タツタ電線株式会社(以下、「タツタ社」という)と広州方邦電子股份有限公司(股份有限公司=株式有限会社)(以下、「方邦社」という)とはいずれも、電磁波シールドフィルム業界の世界市場規模で上位3位に入る企業である。
2017年1月6日、方邦社の製造、販売するシールドフィルム製品が発明特許第200880101719.7号を侵害しているとして、方邦社の競合であるタツタ社が広州知識産権法院(知的財産裁判所)において方邦社の特許侵害を訴えた。
タツタ社は「プリント配線板用シールドフィルム及びプリント配線板」に関する発明特許権者である。タツタ社は、方邦社の製造、販売するシールドフィルム製品8点がその発明特許権を侵害していると考え、このため、侵害停止、経済的損失として9200万元(約15億7803万円)、権利保護のための合理的な支出として72万元(約1235万円)の賠償等の民事責任を方邦社に負うように求めて訴えを提起した。
広州知識産権法院は、証拠保全、鑑定人の召喚、法廷尋問、コンサルタント、技術調査官の参考意見コンサルタント等の適法な手続によって、国内外の当事者に平等に対応し、法に従って訴訟における双方の権利を保護して、公正且つ慎重に審理した。審理の結果、2017年7月21日に一審判決が出されて、侵害被疑物品は係争特許の請求項の保護範囲に入らず、方邦社は侵害に該当しないと認定され、原告のタツタ社の訴訟請求が全て棄却され、事件の受理費として50万5400元(約866万8900円)をタツタ社の負担とした。
タツタ社はこれを不服として広東省高級人民法院(以下、「広東高院」という)に上訴した。
2018年3月26日、広東高院は、この件につき二審判決を出して、タツタ社の上訴を棄却し、一審の原判決を維持した。

2、事件の要点整理
当事者双方には、侵害被疑物品に係る第1の金属層が蛇腹構造となるように形成されているか否かという技術的特徴に争いがあるほかは、訴えられた他の技術的特徴を侵害被疑物品が備えることについて意義異議はなかった。
したがって、どのようにこの特徴を解釈し、さらには係争特許権の境界を明確にするかが本件の要点となる。
調査によって次の点が明らかになった。係争の発明特許は出願時に最初の出願書類が出された後に請求項を補正しており、争点となった特徴が「第1の金属層が、前記絶縁層の片面表面に沿って蛇腹構造となるように、形成されている」から「第1の金属層の両面が、前記絶縁層の片面表面に沿って形成されている」に補正された。国家知識産権局は、これに対して拒絶理由通知書を出して、原出願書類には蛇腹構造の第1の金属層と、ほぼ平坦な構造の第1の金属層との2種類の実施例しか記載されておらず、第1の金属層の他の形式(例えば、鋸歯形状又は連続的な凹凸形状)による形成構造等の内容が与えられていないと指摘しており、出願人の補正は原明細書及び請求の範囲に記載された範囲を超えていると認定している。また、出願人に対して再度補正する場合には、通知書で提起された全ての問題について1つずつ詳細に説明するように求めている。
そこで、出願人は、争点となった特徴を再び「前記第1の金属層が、前記絶縁層の前記単面表面に沿って蛇腹構造となるように、形成されている」と補正して、上記の補正によって、請求項に記載の技術的解決手段が原明細書に記載の内容と一致するようになると述べている。その後、係争の特許出願は権利を取得した。
一審法院は次のように認定した。係争の特許出願書類の審査過程において、国家知識産権局は、出願人の補正後の争点となった特徴は第1の金属層が蛇腹構造となるように形成されているほか、さらに、第1の金属層の他の形式による(例えば、鋸歯形状又は連続的な凹凸形状)形成構造を含んでおり、この部分の補正が原出願書類に記載の範囲を超えていると特に指摘した。
これに基づき、出願人は、上記の拒絶理由を受け入れない場合には、該当する解釈と説明を1つずつ詳細に行うべきである。しかし、出願人は拒絶理由に同意して、請求項を再度補正しており、拒絶理由について何らの反駁もおこなっていない。
したがって、上記の係争特許の審査の過程及び内容に基づき、係争特許の明細書、図面及び参考図書、教科書等の公知文献を考え合わせて、法院は、係争特許で争点となった特徴の第1の金属層の蛇腹構造にはランダムに変化し不規則に高く低く起伏した連続的な凹凸形状の構造が含まれるべきでないと解釈すべきであると認定した。
しかしながら、方邦社が製造、販売する的シールドフィルム製品の第1の金属層の構造は、ランダムに変化し不規則に高く低く起伏した連続的な凹凸形状の構造であるので、係争の発明特許権の保護範囲に入らない。

3、事件による啓示
中国経済は急成長の段階から質の高い発展の段階へと転換しており、その重要な点の1つがハイテク技術の基幹分野におけるコア技術の独自イノベーションと打開の実現である。中国のハイテク企業はコーナーで追い抜く過程で必然的にグローバル大手に阻止されることになる。したがって、中国のハイテク企業は独自イノベーションにおいて投資を拡大する必要があるほか、グローバル大手の制圧にどのように対応するかも非常に重要な課題である。
この訴訟の結果は、電磁波シールドフィルム業界の世界市場規模でランキング上位の中国企業の製造、販売する製品に使われているコア技術が中国企業の独自イノベーションに入るか、それとも日本企業の発明特許権を侵害するかという問題に対する回答であり、この結果の世界の関連業界への影響ははかりしれない。更に重要なことには、グローバル大手の起こした特許訴訟に中国のハイテク企業がどのように対応すべきかにとって本件は非常に有益な参考となる。
本件について言うと、法院は審理において発明特許の請求項の争点となった技術的特徴を解釈する際に、明細書、図面及び関連するその他の請求項を適用したほか、さらに、特許包袋も考え合わせて解釈した。
特許包袋の内容を審査することによって、特許出願の過程における特許権の保護範囲に対する出願人の真実の意思表示と客観的な行為が明確になり、国家知識産権局と出願人とが特許権の境界確定においてどのような意見で一致したか、また、一般公衆に対してどのような公示的役割が果たされたかが確定され、それによって、法院の認定した特許権の保護範囲が特許権の発生時に開示された境界に適合するようになり、このような独占的権利を国が与えて保護した初志に適合するようになり、このようにして初めて、一般公衆に対して明確な法的予測が与えられ、共有技術の自由な運用に対する一般公衆の余地が不当に狭くならないようにすることができる。
これに対応して、発明特許の出願過程では、出願人は、拒絶理由を受け入れない場合には、その説明、回答を詳細にしなければならないか、又は更に補正する際に明確且つ合理的にその技術的特徴を限定又は解釈しなければならず、拒絶理由を受け入れて特許権を取得した後に、権利者が出願時に同意した拒絶理由と食い違う意見を侵害訴訟で主張することは、明らかに信義誠実の原則に反しており、法院の支持を得ることができない。(IPRdaily中文網)

2018-05-07

索赔9272万元!电磁屏蔽膜行业掀起专利大战!

摘要:近日,国内知名电磁屏蔽膜产品制造商广州方邦电子股份有限公司被电磁屏蔽膜行业全球市场规模最大的日本企业大自达电线股份有限公司起诉专利权侵权案二审在广东高级人民法院审理结束。

一、案情简介
大自达电线股份有限公司(以下简称大自达公司)和广州方邦电子股份有限公司(以下简称方邦公司)均是电磁屏蔽膜行业全球市场规模排名前三的企业。
2017年1月6日,因认为广州方邦电子股份有限公司(下称方邦公司)生产销售的屏蔽膜产品侵犯其200880101719.7号发明专利,方邦电子的竞争对手大自达电线股份有限公司在广州知识产权法院起诉方邦电子专利侵权。
大自达公司是涉案“印刷布线板用屏蔽膜以及印刷布线板”发明专利的权利人。大自达公司认为方邦公司制造、销售的8款屏蔽膜产品侵害其涉案发明专利权,据此起诉请求判令方邦公司承担停止侵权、赔偿经济损失9200万元、合理维权支出72万元等民事责任。
广州知识产权法院经过证据保全、传唤鉴定人、开庭审理、咨询技术调查官等合法程序,平等对待国内外当事人,依法保护双方在诉讼中的权利,公正审慎地进行审理。经审理后于2017年7月21日作出一审判决,认定被诉侵权产品未落入涉案专利的权利要求保护范围,方邦公司不构成侵权,驳回原告大自达公司的全部诉讼请求,并由大自达公司负担案件受理费50.54万元。
大自达公司不服,向广东省高级人民法院提起上诉。
2018年3月26日,广东高院就该案作出二审判决,驳回大自达公司上诉,维持一审原判。

二、案件关键点梳理
双方当事人除了对被诉侵权产品所涉第一金属层是否以波纹结构的方式形成这一技术特征存在争议外,对于被诉侵权产品具有其他被诉技术特征并无异议。
因此如何解释该特征并进而明确涉案专利权的边界是本案的关键点。
经查明,涉案发明专利申请时在提交了原始申请文件后对权利要求进行了修改,将涉案争议特征从“第一金属层以沿着所述绝缘层的单面表面成为波纹结构的方式形成”修改为“第一金属层的两面沿着所述绝缘层的单面表面形成”。国家知识产权局对此发出审查意见通知书,指出原申请文件仅记载了波纹结构的第一金属层和大致平坦结构的第一金属层两种实施例,没有给出第一金属层以其它方式(比如锯齿形或连续的凹凸形)的形成结构等内容,认为申请人的修改超出了原说明书和权利要求书记载的范围;同时要求申请人再次修改时应对通知书中提出的所有问题逐一详细地作出说明。
于是,申请人将涉案争议特征再次修改成“所述第一金属层以沿着所述绝缘层的所述单面表面成为波纹结构的方式形成”;并称通过上述修改,权利要求记载技术方案与原说明书记载的内容一致。之后,涉案专利申请获得授权。
一审法院认为,在涉案专利申请文件审查过程中,国家知识产权局专门指出申请人修改后的涉案争议特征除了第一金属层以波纹结构的方式形成外还包含了第一金属层以其它方式(比如锯齿形或连续的凹凸形)的形成结构,该部分修改超出了原申请文件记载范围。
基于此,若申请人不接受上述审查意见,应当逐一详细作出相应的解释和说明;但申请人同意审查意见并对权利要求再次修改,对审查意见未作任何反驳。
因此,根据上述涉案专利审查的过程及内容,结合涉案专利说明书、附图以及工具书、教科书等公知文献,法院认定涉案专利争议特征第一金属层的波纹结构应解释为不应当包括随机变化的、无规律高低起伏的连续凹凸形结构。
而方邦公司制造、销售的屏蔽膜产品的第一金属层的结构是随机变化的、无规律高低起伏的连续凹凸形结构,因此不落入涉案发明专利权的保护范围。

三、案件启示
我国经济已经由高速增长阶段转向高质量发展阶段,其中重点之一就是要在高科技的关键领域实现核心技术的自主创新和突破。中国的高科技企业在弯道超车的过程中必然会遭遇国际跨国巨头的阻击。因此,中国的高科技企业除了在自主创新上要加大投入外,如何应对国际跨国巨头的打压也是非常重要的课题。
本案诉讼的结果回答了在电磁屏蔽膜行业全球市场规模排名靠前的中国企业制造、销售的产品中使用的核心技术是属于我国企业自主创新还是侵害日本企业发明专利权的问题,该案结果将给全球相关行业格局带来深远影响。更重要的是,该案将给中国的高科技企业如何应对国际跨国巨头提起的专利诉讼提供非常有益的借鉴和参考。
就本案来说,法院在审理中对于发明专利权利要求的争议技术特征进行解释时,除了运用说明书、附图及其他相关权利要求以外,还结合专利审查档案进行解释。
通过审查专利审查档案的内容,可以明确申请人在专利申请过程中对于专利权保护范围所作的真实意思表示与客观行为,确定国家知识产权局与申请人在划定专利权边界上达成了何种一致的意见,并对社会公众形成了何种公示作用,从而使法院认定的专利权保护范围符合专利权产生时所公示的边界,符合国家授予、保护这种专有性、垄断性权利的初衷,如此才能为社会公众提供明确的法律预期,避免不当压缩社会公众对于公有技术自由运用的空间。
与此相对应的,在申请发明专利的过程中,申请人如不接受相关审查意见,应当详细地做出相应说明回应,或者在进一步修改时清晰、合理地对相关技术特征进行限定或解释;在接受相关审查意见获得专利授权后,权利人却在侵权诉讼中主张与申请时所同意的审查意见相左的意见,显然有违诚实信用原则,不应得到法院的支持。

2018-05-07

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